人間進化論
むかしむかし、ある生物が空を見上げてこう思った。
〝空を自由に飛べたら、天敵のいない世界で楽に生きられるに違いない〟
両手を広げて羽ばたいてみる。
少し高いところから飛び降りてみる。
木と木の間を滑空する。
そして、ついに空を飛べるものが現れた。〝鳥〟が生まれた。
ある一匹が、〝もっと遠くの地まで飛んでいきたい〟と考えた。
陣形を組むと楽に移動できることを知った。
季節風に乗ると早く移動できることを知った。
左右の脳を交互に休ませることで、一気に海を渡りきることができることを知った。渡り鳥が生まれた。
ある人間が、24時間眠らずに、たくさんお金を稼ぎたいと考えた。
〝渡り鳥のように、左右の脳を交互に休ませて、眠らずにいられないか〟
人間は、眠る必要がなくなった。
労働基準法が撤廃され、一日中働けるようになった。
感情が消えた。
創造力が消えた。
マニュアル通りにしか動けなくなった。
機械に及ばない、機械人間が生まれた。
経済が衰退していった。
人間の数がジャマになった。
人間は必要なくなった。
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